二つのお面セット

Ｆｉｇ．１

（参考図）東京玩具商報１９６３年５月号

高徳が発売した鉄腕アトムお面セットです。お面の他に、水鉄砲と腕時計が入っていました。参考図のように１９６３年ころ売られていたもので水鉄砲ということは夏向けのセットだったのでしょう。

Ｆｉｇ．２（ｂ）のようにタグ台紙の絵ではアトムがちゃんと腕時計をしています。アトムとはあまり関係ないと思いますが、時計は子供のあこがれの装飾品だったのでうれしいおまけでした。ちなみに価格は都内９０円、地方１００円。当時の感覚では、結構高かったと思います。

（ａ）
（ｂ）	（ｃ）

Ｆｉｇ．２

Ｆｉｇ．３

これはマグマ大使のお面セットです。アンテナが短いのでどこかの宇宙人みたいになってしまいましたが、どちらかというと漫画版の造形です。マグマ大使が放映された１９６６年頃のものだと思います。

お面は版権なしのものも袋たくさん作られましたが、高徳のような大きな玩具メーカーのものは、伝統的にそのキャラクターと関係ある付属品などが同封されたセット物を出していました。一種の変身セットでした。

中でもまぼろし探偵のお面セットは、マスク、帽子、手袋、マフラー、ピストルがセットとなっているという豪華なものでした。白馬童子のような時代劇のヒーローのお面セットには、刀が入っていました。

（ａ）
（ｂ）	（ｂ）

Ｆｉｇ．４

（ａ）アトムセット
（ｂ）マグマ大使セット	（ｃ）マグマ大使セット

Ｆｉｇ．５

よくみると、二つのお面セットにはまったく同じ水鉄砲が入っています。時計もバンドの色は違いますが時計本体はまったく同じです。

発売時期はアトム（１９６３年）とマグマ大使（１９６６年）の間は３年あいていますが、付属品は使いまわしていたことがわかります。

手持ちの資料で調べてみましたが、１９６０年７月に高徳が発売した怪傑ハリマオお面セットにも、まったく同じものが入っていたことが確認できました。この組み合わせはす、夏物玩具の定番だったようです。

ちなみに、怪傑ハリマオのお面は目の部分が穴ではなく、サングラス風に透明になっており、高徳は、サングラスとしても使えることをアピールポイントにしています。

Ｆｉｇ．６

上で紹介したものと同一規格の高徳製の悟空お面セットです。

Ｆｉｇ．７（ｂ）のように時計と水鉄砲も同じです。１１０円で売られたようですが、店のマージンが加わったのでしょうかアトムのお面より１０円高いですね。

（ａ）

（b）

Ｆｉｇ．７