（１）手塚治虫とトキワ荘の住人達

虫コミックスは虫プロ商事から１８８冊が出版されています。虫プロ商事は手塚先生が直接経営にタッチされていなかったようですが、その名前から明白にように手塚治虫ブランドには違いないでしょう。このせいか、手塚先生と付き合いがあった多くの作家達の作品がコミックスとして出版されました。その代表がトキワ荘の作家達です。最初に住んでいた手塚先生の作品も含めるとトキワ荘（もしくは新漫画党）の住人達で６３冊のコミックスが出ています。虫コミックスの１／３がトキワ荘グループの作品ということになります。

参考としてめんこになっていない赤塚不二夫、園山俊二のコミックスを下記に示します。

・手塚治虫 御大手塚先生の本は下記の７冊。めんこに描かれているトリトンやアトムは先生の絵柄と少し違います。アシスタントの方の絵だと思われます。 ・手塚治虫 キャプテンＫｅｎ 全２巻 エンゼルの丘 全２巻 双子の騎士 全１巻 ロック冒険記 全１巻 サンダーマスク 全１巻 　 ７冊
キャプテンＫｅｎ		海のトリトン
火の鳥		鉄腕アトム

・寺田ヒロオ 新漫画党のリーダー。寺田作品は今でも大好きです。 ・寺田ヒロオ 背番号０ 全２巻 スポーツマン金太郎 全３巻 　 ５冊
スポーツマン金太郎

・藤子不二雄 著作権の問題があるせいかなかなか出版されなかったため、この「オバケのＱ太郎」全１２巻は、とても貴重な本になってしまいました。古本市場では、とても高額になっており入手するにはとても大変。 ・藤子不二雄 オバケのＱ太郎 全１２巻 ビッグ１ 全１巻 シルバークロス 全３巻 パーマン 全４巻 モジャ公 全２巻 ウメ星デンカ 全３巻 ２１エモン 全３巻 　 ２８冊
オバケのＱ太郎		オバケのＱ太郎
オバケのＱ太郎		オバケのＱ太郎
オバケのＱ太郎

・石森章太郎 天才の誉れ高き石森先生の作品は下記９冊。他に石森章太郎選集という立派なハードカバー本の選集が虫プロ商事から出版されています。 ・石森章太郎 気ンなるやつら 全２巻 Ｓπ 全２巻 少年同盟 全１巻 怪傑ハリマオ 　　原作：山田克郎 全４巻 　 ９冊
少年同盟		少年同盟
気ンなるやつら

・つのだじろう 忍者あわて丸とは懐かしい！劇画調になる前のつのだ作品が好きです。虫コミックスではありませんが、ブラック団が特に好きでした。 ・つのだじろう あかね雲のうた 全１巻 忍者あわて丸 　原作：山中恒 全２巻 サムライの子 全１巻 ルミちゃん教室 全１巻 　 ５冊
忍者あわて丸

（２）ちばてつや、関谷ひさし、川崎のぼる

今回の虫プロめんこの解説を書くために改めて虫コミックスの刊行記録を調べると、ちばてつや３７冊、関谷ひさし２４冊で両者を併せると、なんと最初に紹介したトキワ荘作家グループとほぼ同じ数の本が発行されていました。ちばてつや作品では少女マンガが多いのが特徴です。

当時ちば先生といえば、講談社専属というイメージが強く他の出版社から単行本を出すことはあまりなかったのではと推察しますが、「ハリスの旋風」、「あしたのジョー」などの少年マンガに較べて、それ以前に発表されていた少女マンガの作品群は地味な感じで講談社が刊行していなかったので虫プロから出せたのかもしれません。後に講談社からＫＣコミックスとしてこれらの少女マンガも刊行されました。この頃には、すでに虫プロ商事はなかったと記憶しています。

・ちばてつや ちば作品では、子供たちが群れて元気にあばれるシーンがたびたび出てきます。氏の子供たちへの愛情が感じられ私はとても好きなシーンです。 ・ちばてつや ユカを呼ぶ海 全４巻 ユキの太陽 全４巻 ママのバイオリン 全４巻 アリンコの歌 全３巻 １２３と４５ロク 全３巻 テレビ天使 全３巻 ハチのす大将 全１巻 ちかいの魔球 　原作：福本和也 全７巻 紫電改のタカ 全５巻 島っ子 全４巻 　 ３７冊
ハチのす大将		ちかいの魔球
１・２・３と４・５・ロク

・関谷ひさし 「ストップ！にいちゃん」は、文武両道で秀いでているが、がんこで正義感が強く一本気な少年が主人公。他に「ジャジャ馬くん」でも同じような主人公が登場する。当時は理想的な少年像だった。今は、こんな子いないかな？ ・関谷ひさし ストップ！にいちゃん 全１３巻 イナズマ野郎 全１巻 少年No.1 全６巻 ケンとすてきな仲間 全２巻 リリーフサッちゃん 全１巻 おはようケン 全１巻 　 ２４冊
少年Ｎｏ．１
ストップにいちゃん		ストップにいちゃん

・川崎のぼる ごぞんじ、いなかっぺ大将。明るく元気という点は、前述の、ちば、関谷作品の主人公達と共通しますが、ギャグ性では断然リードしてますね。下のめんこのように、最初左列のような普通のプロポーションだった大左衛門が最後には右列のように体形、顔まで変わってしまいます。 ・川崎のぼる いなかっぺ大将 全６巻 　 ６冊
いなかっぺ大将		いなかっぺ大将
いなかっぺ大将		いなかっぺ大将

（３）他の虫コミックスの作品

ここで紹介するのは残りの６枚です。他にもたくさんの作品が刊行されたのに何故これらの作品がめんこの絵として選ばれたのかは不明ですが、いずれもオールドファンには懐かしい作品です。

参考までに、これ以外で虫コミックスとして刊行された作品を下記に示ししておきます。聞くところによると、現在虫コミックスを全巻揃えるには大変な努力と金力が必要とのことです。

虫プロが倒産したころ、大量に在庫本が東京のデパートの特売などで売られていました。私は手塚先生、トキワ荘グループなどを中心として、結構虫コミックスを持ってますが、大部分はこの時の特売で入手したものなんです。確か1冊１００円もしなかったのでは？どうせなら、全種類揃えればよかったなァと今になって残念に思います。

		・牧美也子 マキの口笛 全３巻 　 ３冊
マキの口笛

		・板井れんたろう ポテト大将 全１巻 　 １冊
ポテト大将

		・貝塚ひろし あばれ王将 全２巻 くりくり投手 全１巻 　 ３冊
あばれ王将

		・山根赤鬼 よたろうくん 全２巻 　 ２冊
よたろうくん

		・ムロタニツネ象 わんぱくター坊 全３巻 　 ３冊
わんぱくター坊

		・前谷惟光 ロボット三等兵 全５巻 　 ５冊
ロボット三等兵